ほたる復活活動の原点

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ほたる復活活動の“これまでの経緯”

=釜利谷南小学校と関ケ谷市民の森愛護会のコラボレーション=

2003年(平成15年) ~ 2006年(平成18年)

(1) 子供達の取り組み(その1)
釜利谷南小学校、社会科の授業がきっかけで「ほたる復活大作戦」となる
①  2003年(平成15年)当時小学校3年生が3学期の社会科で 「まちの昔さがしをしよう」と白山道に昔から住んでいる「一沢さん」と出会い話を聞きました。
昔の白山道は自然が豊かで、「ふるさと」の歌に出てくるようだった。ほたるもたくさん飛び、それは、それはきれいだった。おじさんは「ほたる」がもう一度飛ぶのが見たい。それが夢なのだ。
この話を聞き影響をうけました
②  2003年(平成15年)9月から、4年生全員で「私たちのまちほたる復活大作戦」と名付けて総合学習で取り組むことになりました。

「一沢さん」の夢をかなえたい。私たちもほたるが見たい!2003年(平成15年)9月、4年生になったこどもたちは、学校のすぐ近くの夏山にほたるが今も住んでいて、毎年飛んでいるということを知り、みんなで見学に出かけました。
③ そこには、きれいな水が流れていて、ホタルのえさになるカワニナも住んでいました。落ち葉や木もあり、周りにはビニールハウスや畑があって、とても静かな所でした。

 

④ 夏山を見学すると、ほたるのいる所といない所で何が同じで、何が違うのか調べてみたくなりました。白山道の水路は、生活排水が入っていたり、木も切られていたりして、とても無理だと思いました。

 

⑤ 2003年(平成15年)10月26日に関ケ谷市民の森が開園した翌日、4年生全員で調査も兼ねて見学に行きました。その日は、ほたる復活を夢見るこどもたちが、復活の可能性を肌で感じることになった記念すべき日となりました。

 

 

⑥ こどもたちは、いこいの広場の前に小さな水路を見つけました。この環境ならカワニナがいる筈だ。そして、普段は地元の人も見向きもしない水路の中を丹念に探していきました。        

 

⑦ 茶色の川底の砂に紛れて、よく見ると小さなタニシのような巻き貝がうじゃうじゃいました。これからお世話になるカワニナとの初めての出会い! 超大発見!こどもたちは、躍り上がって喜びました。この時の感激は、生涯忘れることはないでしょう。

 

⑧釜利谷南小学校、と関ヶ谷市民の森愛護会とのリンク

愛護会の会長宅へ電話を掛け、担任の先生から経過説明の後に、数名のこどもたちから「協力してください!」と話しました。会員のみなさんは「自然を愛する心優しい人々です。反対する人なんかいません。ぜひ、協力させてください」と返事が有りました。 こどもたちの万歳の声で、みんなで喜びしました。

 

⑨ 釜利谷南小学校4年生(当事)と関ケ谷市民の森愛護会員との初顔合わせ

(2)子供達の取り組み(その2 )
2003年(平成15年)10月~2006年(平成18年)3月

① 4年生のみなさんは、インターネット、図鑑、本などでのほたるの環境、飼育、種類などについて調べました。その成果を2003年(平成15年)11月15日第4回ニレの木スタディ・フェスタで発表しました。

 

②  こどもたちの成果発表にみなさん熱心に聞き入りました。 また、環境保全局から「磯さん」緑政局からは伊藤係長も参加し、専門的なアドバイスをされました。

 

③ 「釜利谷南小学校」「横浜市の伊藤さん、磯さん」「市民の森の愛護会」と話し合い
ほたるの復活のためには、森の環境も大事だからみんなで協力して森を守りましょうということになり、こどもたちも賛同してくれました。釜利谷南小学校では、総合的な学習の時間と位置づけ、水質検査、水路の清掃、看板、樹名板の作成とこどもたちも大活躍。

子供たちの活動の様子が新聞にも紹介されました。

 

(3) 子供達の取り組み(その3)
① 2004年6月(平成16年)6月2日 クラブメンバーが集い、活動方針打合せ
② 2004年6月(平成16年)6月5日 横浜金沢ナチュラルアドベンチャ-に参加
③ いこいの広場を中心に水路の生き物と植生状況の自然観察
土曜日で学校はお休みなのに、多くの児童が参加しました。

 

④ 側溝から短時間に10種類位の生物が捕れました。中には横浜市で3か所しか生存が確認されていない淡水エビもいました。

 

⑤ 宮川沿いに関東学院大学八景キャンパスまで散策移動、報告会と講評に参加
⑥ 横浜市環境科学研究所の福嶋悟博士の説明 児童は、熱心に話を聞きました。先生は環境を整備すれば、ホタルは間違いなく復活すると太鼓判を押してくれました。

 

⑦ 2004年6月(平成16年)6月7日 北谷ほたる鑑賞会
⑧ 2004年6月(平成16年)7月24日 講演会開催 テーマ 「ほたるの生態」
講師  横浜ほたるの会 丸茂 高 会長
⑨ 2004年(平成16年)11月8日 水路改修をテーマとして現地調査        

        ほたるが生息できる施策について横浜市より提案
⑩ 2004年(平成16年)11月20日 第5回ニレの木スタディ・フェスタ開催
⑪ 水路改修基本計画を熱心に説明する児童                                    

 

⑫ 森はみんなのたからもの」と児童たちは、伐採した竹の有効活用にも目をつけました

 

数ある作品のうちの1つです。

 

⑭ 2005年(平成17年)1月23日 講演会開催 テーマ 「ほたる飼育の極意について」
講師  鹿島建設環境本部 柵瀬信夫 博士
⑮ 2005年(平成17年)1月25日 水路改修施工につき現地協議
釜利谷南小学校 研究発表
⑯ 2005年(平成17年)2月24日 森・川・まち・海をつなぐ環境学習会に出席

(4) 子供達の取り組み(その3)
5年生へバトンタッチ
2006年(平成18年)2月23日 現地で6年生から5年生に“ほたる復活作戦”はバトンタッチしました。
水路改修工事が終わった後での引き継ぎ、3年間がんばってきた子供たちにとって生涯忘れることのない晴れやかな1日であったことでしょう

    

 

(5) 6年生とのお別れ会
① 河合先生から3年間のほたる復活作戦の写真展と給食を食べながらの6年生とのお別れ会をしたいとのお誘いを頂き、当愛護会から8名参加したのは、2006年(平成18年)3月87日のことでした。
体育館に案内され、児童67名からなる大合奏からお別れ会の幕は切って落とされました。

 

校長先生と共に合奏に聴き入る愛護会員

 

③ テーブルの前に置いてあつた竹製の花差。
正面には、「愛護会のみなさん、三年間ありがとう」 と書いてありました

 

④ 司会をされた二人の児童。大変上手にできました。壁に1本の大木、その脇に「きらめけよ命」とさりげなく書いてありました。
3年間みなさんの表現力のすばらしさには、驚きの連続でした。

 

⑤ 4面の壁に3年間の活動記録が年代順に貼ってあり、児童のみなさんが熱心に説明してくれました。1つのプロジェクトを完成させる手法を会得しおり、それが全員参加で楽しみながら学習してきたのには、ビックリしました。同時に指導されてきた先生の手腕には頭が下がりました。
今流に言えば「ハートがある!」とでもいうのでしょうか。

 

⑥ たくさんの“かわにな”を育てています

 

⑦ 児童から思いもよらず感謝状を頂きました。

樹名板や案内板の製作、取付や水環境整備に目を向けるようになったのはみなさんのお陰。感謝状を出すのは愛護会の方でした。

 

 

⑧ はじめて給食をご馳走になりました。ライスカレー、大変おいしかったです。ご馳走さまでした。食後のゴミの分別、子供の頃からやっているのですからバッチリですね

  

出席した会員の方がいっていました「今日は感動に始まり、感動に終わった一日だった」
ありがとう先生、児童のみなさん。これからもお互いがんばりましょう!

(6) 新6年生の取り組み
2006年(平成18年)6月~2007年(平成19年)3月
① 2006年(平成18年)6月1日 いこいの広場で新6年生と初顔合わせ

    

 

② 改修工事で減ってしまったかわになを下流から上流に約200匹移動

    

③ 2006年(平成18年)6月23日 丸茂先生講演会(於 釜利谷南小学校)
丸茂先生に卒業した6年生から新6年生に「ほたる復活大作戦」が引き継がれていったことを報告しましたら、「新6年生にほたるの話をしましょう」とのことで、学校で講演会が実現しました。

まるでほたると対話してきたかのような、貴重なお話でした。特に“観察”の重要性を説いていたのが、印象に残りました。
6年生のみなさんも熱心に聞き入っていました。
市民の森愛護会として、この子たちのために、「ほたる復活」を心に誓いました。

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