木酢液・竹酢液は、木炭や竹炭を製造する際に発生する煙の成分を冷却して得られた液体です。
水分が約90%で、残りの約10%のうち約5%が酢酸で、その他アルコール類、エステル類、フェノール類等、約200種類に及ぶ有機成分が含まれています。一般的には木酢液よりも竹酢液の方が殺虫、殺菌の効果が高いとされています。
木酢液・竹酢液の用途は広く、主に農産物を生産するため、土壌改良資材や植物活性剤等として使用されています。又、堆肥の発酵促進剤としても利用されています。
1.土壌の消毒に用いる
作物を植える前に、20~30倍の高濃度希釈液(1㎡当たり5~6リットル)を土壌に散布する。液が高濃度のため殺菌作用がある。散布後7~10日ごろに植付けする。
2.土壌中の有用微生物の増殖を促す
200~400倍希釈液を土壌表面に散布する。有用微生物が増殖することにより、結果的に病原菌が減少し、作物が丈夫に生育する。米ぬか、腐葉土等の有機質肥料を施した後に散布すると有用微生物の増殖がさらに促される。
3.植物の芽、根の生長を促進する
作物や芝に施すと芽や根の生長が促進される。例えば芝の場合 1a(100㎡)当たり、0.5~1リットルの液を500倍に水で薄めたものを毎月1回施すと生長が促進される。
4、作物への土壌中ミネラル吸収を助長する
木酢液、竹酢液に含まれる酢酸やプロピオン酸類の有機酸が、土壌中のミネラルを作物へ吸収しやすくする。
5.他の天然有効成分の抽出に用いる
ニンニク(発芽促進等に用いる)、トウガラシ(ダニ被害等の防止)、魚腸(チッソ肥効の向上)等を木酢液、竹酢液に漬け込むことで有効成分を抽出し、より効果を発揮する。抽出液を通常300~500倍に希釈して散布する。
6.木炭、竹炭と合わせて使用する
木炭(竹炭)を木酢液、竹酢液の200倍希釈液に漬け込んで、土と混ぜ合わせる。液の有機酸により、木炭、竹炭のアルカリ性が中和され、有用微生物のすみかになる炭の働きが向上する。
7.消臭剤として活用する
木酢液、竹酢液は、含有する有機酸類や消臭成分による中和作用と液独特の燻香によるマスキング作用の相乗効果によって消臭剤として優れた効果をあらわす。特にゴミ集積場、下水、トイレ、家庭のゴミ、畜舎等の悪臭駆除には最適である。使用方法は、希釈した30~100倍液を1㎡当たり100~300mlをジョウロや噴霧器を使って散布する。また、屋内の厨房、床面、排水口、生ゴミやペット用品等に50~200倍液を噴霧するか、雑巾に浸して拭く方法が効果的である。